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2014.04.09 エッセイ「ダルフールからの遺言」 投稿者:昼寝ネコ

RESURRECCIÓN DEL ÁNGEL POR ÁSTOR PIAZZOLLA

ダルフールからの遺言
 
 
昼寝ネコ
 
映画レンタルショップのTSUTAYAには、
2箇所で会員になっていた。
札幌の手稲区5号線店と、田園都市線・高津駅前店だ。
でも、いつしかまったく足を運ばなくなってしまい、
その期間はおそらく2年や3年どころではないはずだ。
映画そのものを観る習慣から、徐々に遠のいてしまった。
当たり前の話しだが、映画も作品である以上、
そしてドキュメンタリーでないということは、
あくまでも「作り物」であり、リアリティのなさに
最初からのめり込むことができず、
少々飽きが来てしまっていた。

ごく最近、インターネットで有料の映画レンタルが
あることを知ったが、お金を出してまで観る気がしない。
でも、無料のサービスもあるというので
頭の疲れ休めに何本か試してみることにした。
最新映画など、タイトルのリストに目を通しても、
何が何だかさっぱりだった。なので、5〜6行の
作品概要を読んでみて、興味を持った作品を拾ってみた。

知っている俳優は皆無で、製作もベルギー、ポーランド、
フランス、アメリカとあれこれになった。
でも、秀作というか力作であり、すべて最後まで見終えた。
印象的だったのはポーランド映画で、政府の情報部に
スカウトされた女性が、反政府運動の急先鋒である
大学教授を監視する目的で、大学に職員として潜入する。

フランス映画は、実在した情報部将校の手記を元に、
パレスチナ解放機構幹部で、著名なテロリストの
アブ・ニダルの側近を、二重スパイに仕立て上げ、
そこにモサドの工作員が絡むという筋立てだった。

昨晩は「ダルフールの虐殺」(アフリカ・スーダン)
をテーマに、ドキュメンタリー風に仕上げた映画だった。
アメリカ人ジャーナリストのグループが
停戦監視機構AUの軍人に引率されて、ある村の
取材に行く。ところが、スーダン政府軍とスーダン政府に
支援されたアラブ系の「ジャンジャウィード」という
民兵が、その村を襲撃し老若男女の区別なく
村人を殺戮するという展開になってしまう。
いわゆるジェノサイド(大量虐殺)で、ある部族
または血族を地上から抹消するという思想に基づいている。
軍や政治家の取り決めに従い、AUの軍人には
交戦権が与えられていないため、村人を見捨てて
引き返してしまう。途中で、男性ジャーナリスト二人が
戻って戦う決心をし、小銃を片手に村に向かう。
相手は武装した民兵なので、もちろん最後は
射殺され、一人はガソリンをかけられて焼き殺される。
被弾し重篤な状態のジャーナリストは、赤ん坊をなんとか
助けようと、最後の力を振り絞って地面に
小さなくぼみを作り、その上に身を伏せて赤ん坊を隠した。
彼はそのまま息絶えたが、民兵たちは赤ん坊に気づかす、
引き上げて行った。
しばらくして様子を見に引き返してきた女性ジャーナリストは
仲間の遺体の下で泣き叫ぶ赤ん坊を見つけ、
抱きかかえて車に戻る・・・ほとんどドキュメンタリーだった。

映画はそこで終わるのだが、私の脳内では新たなストーリーが
そこから始まった。彼女は肌の黒い赤ん坊をアメリカに連れ帰り、
養子として育てることになる。
年数が経ち、成人した子どもはやがて、養母の死を迎える。
葬儀の参列者に対する謝辞を述べ、次に、養母が自分が死ぬまで
開封しないようにと言い残した手紙の内容について触れる。
その手紙には、ダルフールでのできごとと、
自分を養子にした経緯の詳細が書かれていた。

葬儀での喪主の挨拶という、ほんの数十分のシーンをふくらませ、
実在したであろうジャーナリストたちへの、
私なりの鎮魂と彼らの勇気、そして人類愛に
敬意を表する短いストーリーに仕上げたいと思っている。
・・・いつ仕上がるかは分からないけれど。
でも、タイトルだけはもう決めている。
「ダルフールからの遺言」にしようと思っている。

結局、いい映画は自分自身の疑似体験にもなり、
さまざまな創作上の刺激になるので、やはり映画は
いいものだなと、かつての淀川長治さんの言葉を
改めてかみしめている。
 
 
 

  • 古き良き時代の映画であればいくつも挙げることが出来ますが、近年はドキュメンタリーに忙しくそっちまで手が廻らないのが現状で、なんと映画館で観たのは2003年の9月4日
    (土曜日)(日記で確認)娘と娘の夫と三人で立川に行き「英雄」を観ました。カンフーチャンピオンのジェットー・リー主演で本物ののカンフーの死闘が無くてがっかりしました。娘の一歳の長男のお子守は夫がしましたがウンチのオムツをを変えるのに苦労したようです。彼は自分の子供のウンチのオムツを変えることはしなかったので、「ホラね」と
    私に言われました。映画よりもこっちの方が面白かったということです。 -- パシリーヌ 2014-04-09 (水) 21:22:17
  • パシリーヌさん
    コメントを有難うございました。ご主人の境遇はよく理解できます。私は子どものおむつ替えはおろか、風呂に入れたこともなく、育児放棄の父親でしたから、今でもときどき指摘され、謝罪と賠償を求められます。でも反面教師とはよくいったもので、ダメな父親を見て育った子どもたちはちゃんと社会に適応しているようです。ご主人よろしくお伝えください。同病相憐れむのようです。 -- 昼寝ネコ 2014-04-09 (水) 21:34:50

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