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2014.11.18 穀粒記者レポート・「蟷螂の斧(とうろうのおの)」~投稿者:丹羽 謙一
 
蟷 螂 の 斧
 
 
大竹 富美子
  
(Ⅰ)
武器輸出が解かれるという
武器は人を殺すものだ
それを輸出するとは
人殺しを助けるということだ

今まで何十年とじっとがまんしてきたものを
ここで解くとは何事か
しかも内閣だけで
そんな内閣はいらない

「死の商人」とさげすまれても
誰かは莫大な利益を得るに違いない
国際的には少しは大きな顔が出来るかも知れない

しかし、それ以上に
三原則を守ることは
世界的に尊敬に値することなのだ
視野を広げよ
高い基点を求めよ

(Ⅱ)
自分に死ぬ覚悟はおありですか
集団自衛権発動?
それはいつかは戦争に結びつきます
この前の戦争でどれだけの人が死んだか覚えていますか
その一人一人は一家の父であり夫であり
兄であり弟であり婚約者であったのです

残された人達はそれから長い間
そのためにどんな苦しい生活をしたか
ご存じですか
やっと何とかそれを忘れかけていた頃
又戦争が始まる!やりきれません

あなたに息子はいないのですか?
孫はいないのですか?
どうせお偉い自分たちは
その矢面に立つことはない
高見の見物
だから勇ましいことを吠えていられるのです。

平和憲法がどんなに多くの犠牲の上に成り立ったものか
御存じないのでしょうね
自分が!息子が!孫が!
殺されることを考えてみて下さい
                 (二〇一四年四月)
 

蟷螂の斧(とうろうのおの)
 
丹羽 謙一
 
○原作者の紹介

  • 大竹 富美子    
  • 山形県天童市在住
  • 長男夫婦と別棟 健康
  • 会員歴 34年
  • 91歳
  • 元高校教師(国語ほか)
  • 退職後、点字奉仕(現在も校正)などのボランテア活動にも長く従事
  • 市民の雑誌の詩欄に定期投稿を続ける

○作品内容
 私見であるが、普段は自然・人文について、穏やかで理知的な香り高い詩風と拝見している。しかし、この詩は集団的自衛権に関する氏の思いを叙述したものであるが、抑制が効いていてかなり理知的かつ情熱的で、そのヒューマン愛に感動した。私は、与謝野晶子が「君死に給うことなかれ」を書いた時、鉄幹がそれをみて「やったね」と言った話がすぐ頭に浮かんだ。
 
○出版物の紹介

  • みんなで作る市民の雑誌  天童・ひろば 
  • 年4回発行
  • 掲載号は平成26年6月30日発行 第100号 約220ページ 
  • 特集「戦争を語り継ごう」!!(その7)
  • 散文・詩・短歌・俳句・地域史研究論文など
  • 発行 「雑誌・天童」 天童市小路1-2-16 鈴木 実 方
  • なお、本稿は作者が発行者から口頭で転載の了解を得ている。
       
    *事務局追記:蟷螂(とうろう)はカマキリの意。「蟷螂の斧」は中国の故事であり、「カマキリが前あしを上げて、大きな車の進行を止めようとする意から」弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことのたとえ。(goo辞書参照:http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/157153/m0u/
     
  • 丹羽謙一兄弟
    大竹富美子姉妹の力作をご紹介くださり、有難うございました。
    年齢的に、戦争を実体験されているのだと思いますが、戦争を忌避する切実な心情が伝わり、改めて日本が平和で平安な国であり続けて欲しいと思いました。

    集団的自衛権の問題だけに限らず、昨今の客観情勢から、少なからぬマスメディアは外国政府・団体の影響を受け、そのプロパガンダ活動によって、必ずしも真相を正しく伝えず、逆に世論を誤った方向に誘導しようとしている実態がますます表面化していることが指摘されています。
    一市民としては、表象や一部の情報に惑わされず、自ら研究することによって、判断力を養う姿勢を求められているのだなと、この作品を読ませていただき、再認識することができました。改めてお礼申し上げます。 -- 昼寝ネコ 2014-11-19 (水) 00:12:55

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