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2015.02.17 エッセイ「饒舌すぎた受験生の反省」投稿者:昼寝ネコ

Piazzolla Ave Maria Tanti Anni Prima Ballade
 
饒舌すぎた受験生の反省 
 
 
昼寝ネコ

45年ぶりに受験生になり、筆記試験と口頭試問を
受けて、帰宅した。

昨日は非常に体調が悪く、繰り返す咳は深いし
背中と心臓から力が抜けた感じがあり、
もしかして、この年齢で大学院で学ぶなんて
無謀な選択なのではないかと弱気になった。
朝起きてみて、体調が改善されていなければ
インテリジェンスの勉強に深入りするのは
止めればいいんだ、とまで考えた。

おまけに、床についてから早朝までの間に
3回も足の筋肉がつってしまい、そのうち
2回は両足が同時に激痛をともなって
つったので、身動きがとれない。
ああ、やはりもうこれ以上、関心事を増やさず
年齢相応にゆったり生きなさい、ということだと
かなり観念してしまった。

日頃から困難に直面したときは、論理的に
結論を出さないことにしている。
善なることをしようとすると、断念させようと
いう邪魔が入ることもあると考え、
それに負けないように前進するか、あるいは
関心が自然に薄れるようなら、
思い込みを捨て去って忘れ去るか。
いずれにしても、そのときに心に感じる
「印象」で決めるようにしている。

朝の体調は、思ったほど悪くなかったので
電車に乗って、遅刻せずに大学に着いた。

筆記試験は英語だった。時間は90分で
事前に過去問を取り寄せて見ていたので、
英文を読み、概要についての日本語の質問に
日本語で答える・・・と、気楽に考えていた。
どうせ短時日の受験勉強なんて役に立たないし、
まあなんとかなるだろうと考えていた。
受験生は私一人だけだった。

実際に渡せされた試験問題は、B4サイズ2枚に
小さな文字で印刷された英文で、「翻訳せよ」
と書かれていて、面食らってしまった。
標題は「国家、人種の定義」で、90分間の
格闘をなんとか終えた。当然だが、全文を
訳せるわけがない。

30分の休憩の後、口頭試問つまり面接試験の
教室に案内された。
広い教室の長テーブルに座っていたのは
女性だった。ちょっと驚いた。
5メートルほど離れて対面したので、
私の視力では、淡いレモン系の色彩の、
おそらくはツィードの生地のスーツを
着ているのだな、ぐらいしか判別できない。

でも、話し方や質問の仕方を綜合すると
かなり知的水準の高い方で、アカデミックな
家系に生まれ、英国留学し、今では大学院の
助教授かあるいは教授なのではないだろうか。
座っていたが、長身の方でテニスか乗馬を
されているのではないかと想像した。

面接官でない私が、分析しても始まらない。
でもおそらく、既婚者で伴侶も
アカデミックな職業に就いており、お子さんは
まだいらっしゃらない。
あるいは離婚されているかもしれない。
私の悪い癖で、ついつい
初めて会った方の分析をしてしまう。

最初に、なぜ本校で学ぶことを志望したか、
と質問された。
事前に書面で提出していた志望動機を読まれて、
ファミリー・インテリジェンスと
国家インテリジェンスはどう違うのか、
という点についても訊かれた。
単科履修ではなく、修士課程に入学して
国際政治学を勉強する気はないのか、とも訊かれた。
(授業料を免除してくれるのなら、
それもいいかなと思うが、大学自体がどのような
政治的・宗教的バックグラウンドを有するのか
ちゃんと調べていないので、面倒は避けたい)

やりとりは省略するが、面接官の先生は
私が目指している内容が、とても面白いと、
興味を持ってくださったようだ。
質問内容は私の興味の本質に関することであり、
しかし、世界中どこにも先達が存在しない
領域なので、もう持論を述べるしかないと考えた。

かくして国際政治学の専門の先生に対して、
米国大統領ですら、在アメリカ・イスラエルの
ロビイスト団体の支援なくして選挙に勝てないとか、
facebookの副社長二人は、かつての政権の
安全保障局長だった人物だったとか、在日外国人に
参政権を付与することは、どうだらこうだらと、
私なりの考えを演説してしまったことになる。
印象が悪かったかもしれない。

でもまあいいさ。自己理念を貫徹するという
強い意思がなければ、進められないテーマなので、
目の前の面接官に取り入って営業しようとするのとは
本質的に異なるのだから、あとは自然の流れに
任せることにしようと思う。

この大学の建学理念に「地の塩となる」という
言葉がある。完全にキリスト教の考え方だ。
なので退室するときに、冗談のつもりで
「私は地の砂糖になりたいと思っています」
といったのだが、無反応だった。
私は甘党なので、とひと言つけ加えるべき
だったのかもしれない。

合格発表は来週の金曜日なので、受かれば嬉しい。
不合格だったとしても、その時点で路線変更すれば
いいだけのことだと思っている。
 
 

  • 昼寝ネコさま
    「地の砂糖」には爆笑しました。まさか通じなかった?あるいはバカバカしいダジャレには反応しません?年齢相応にゆったり生きなさい、に賛同します。 -- パシリーヌ 2015-02-28 (土) 17:16:31
  • パシリーヌさん
    アホな冗談には付き合っていただけないんですよ。年齢を重ねると体力は落ちますが、生きてきた過程で得た知恵は誰にでもあると思います。ですから、後世の皆さんに役立てていただけるよう、何かを残したいと思っています。もうゆったりとは生きられないですね。 -- 昼寝ネコ 2015-02-28 (土) 19:27:12

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