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2017.06.24 穀粒記者レポート・『「少年たちの群像(8)」』投稿者:岸野みさを

 部活が大変だと言う中1の娘。何が大変かというとバトミントン部なのに基礎体力つくりだと言って、グランドを1分半で2周して、時間が間に合わない生徒は更にその場でスクワット60回。柔道部やバスケ部ではよく泣いている生徒がいるという。

 「ねえ、あなたのお兄ちゃんがいる3年3組にいっしょに行ってくれない?」と友だちが言ってきた。「なんで?」「U先輩に挨拶して来たいのよ」「イヤよ、一人で行きな」「わかった」U先輩は柔道部で先日の都大会で優勝した。「それに、下校時に彼女みたいな人といっしょだったよ」と言ったのに「フーン」だけで友だちはさっさと行ってしまった。

 妹がクラスで「あなたは班を盛り上げたで賞」をもらったという。爺が「凄いじゃないか」というと姉は「私なんてね、『つぼが浅いから、すぐ笑ってくれる人』『友達思いで優しい人』とか『一生懸命な人』と書いてもらったわ」「誰が書いてくれたの?」ときくと「こういう人がいれば頑張れる」というテーマで皆がお互いのことを書くという活動があったの」

 ママがいない時の夕食は各自が自分で用意するのだが、中1の長女はお弁当の残りのおにぎりを食べて、小6の妹とその下の弟は卵焼きを作って食べて、中3の長男はお菓子で終わりだそうだ。つまり、ちゃんと食事をしていないことになる。

 喧嘩が絶えない小6の次女と小4の弟だが「ごめんね!」と先にチョッカイ出した弟が謝り、「オレが謝ったんだからお前も謝れ」と謝罪を要求し、「いいよ、ごめんね」と次女が謝ると「いいよ」しばらくするとまた、弟がチョッカイ出す。それを繰り返しているうちに弟は次女に殴り掛かる。次女は弟を殴り返すのではなく、そばにいた長女に「お姉ちゃん!」と言って姉をぶつ。ぶたれた長女は「何で私なのよ!」可笑しな姉弟喧嘩連鎖方式だ。

 ママが「お姉ちゃんまだ、公文から帰って来ないわね」と心配して妹に言うと「お姉ちゃん?2階にいるよ」「なあに!行かないなら行かない、と言ってよ」とママはカンカンだ。
「日頃ソファーでボッーとしているし、朝学校に遅刻はするし」話を聞いていた祖母は「部活やら何やらで、疲れているんじゃないの?」日曜の朝も「スマホをママが隠した」といって機嫌を損ねて教会に来なかったのだ。お年頃にご用心!

 孫たちにイエスの教えを話した祖母。「世の塩になりなさいってイエス様が言ったけど、塩は腐らないし、古くなっても味が変わらないし、食べ物に味を付けて美味しくしてくれます」それを聞いていた次女は「料理実習の時ね、塩と胡椒の入った入れ物に賞味期限が書いてあったよ」と言った。「そうね、胡椒が入っているからじゃないかしら。土などが混ざると塩の味がなくなるそうよ。塩の効き目がなくなったら、塩は何の役にも立たない、とイエスさまはおっしゃっている」「塩は大事なものなのね」と長女。「そうよ、ガリラヤ湖は塩湖で塩が採れるの。イスラエルと神の契約は『塩の契約』と言って、不変の契約を意味するの」

 別の日に二人にマリヤとマルタの話をした祖母。姉は「私はおもてなしをしたいわ」と言い、教えを聞くのは妹だという。以前プライマリーの教師だった時「私はマリタ」になりたいと言った少女がいた。マリヤとマルタの良いところを半分づつ欲しいと言うのだ。
長女のおもてなしをしたいという、気持ちも嬉しい。自分もそっちかな、と思ったが、イエスさまはすぐいなくなるのだから、やはり、お話を聞かなくっちゃ!

 進学塾で夜の11時ころ自転車で帰ってくる長男の機嫌の悪いことと言ったら「梅酒買ってこい!」とか言うのだそうだ。ノンアルコールで美味しいとか。妹からその話を聞いた祖母は「疲れているんじゃない?毎日学校から帰って6時までに塾に行くのに、夕飯食べないで行くんだって?塾で眠くなるからなんだって。先日なんかママと二人で『11時半になったら起こしてね』と言って横になって、二人共起きてみたら朝だったそうよ。

 祖母がママと仕事から帰ってみると、長男と3人の男子が家の庭にいた。長男は一人でアイスを食べている。「なんで、皆にあげないの?」とママが叱ると「一本しかなかったんだよ」「他のゼリーの凍ったのがあるじゃない、それをあげればいいのに」と祖母が言うと「あっ、もらいました」「もらいました」男子たちは皆ニコニコして恐縮している。楽しそうで安心だ。

 長女が身代わりのバプテスマに行くから部活に出られないことを先生に断るとき「教会の、と言うんじゃないよ」と長男が言ってきたそうだ。「嘘なんか言いたくない」と長女が言うと「お前な、信仰のことなんか言うんじゃない!」結局長女は教会のことで、と言ったそうだ。長男はどうしてそう考えたのか、今度家に来た時に聞いてみなくちゃ、と祖母は思った。

 この間ステーク会長が来てお話した時あなた達いなかったわよね?と祖母が言って孫たちにその話をしてくれた。
  新約聖書(マタイ15:22-28、マルコ7:25-30)にあるように、ツロの地方に行かれたイエスは誰にも知られないように、家の中に入られました。ところがギリシャ人の女が来て、自分の娘が悪霊につかれているので追い出して欲しいと願いました。異邦人に伝道する時はまだ来ていませんでした。イエスは「まず、子供たちに十分食べさすべきである。子供たちのパンを取って小犬に投げてやるのはよろしくない」と言いました。子供たちというのはユダヤ人のことを指しています。すると女は言いました。「主よ、お言葉通りです。でも、食卓の下にいる小犬も、子供たちのパンくずはいただきます」そこでイエスは言われた。「その言葉で十分である。お帰りなさい。悪霊は娘から出てしまった」

 「このイエスさまのお話を聞いてどう思ったかしら?」と長女に聞くと「ウーン、私だったら、テーブルの下に落ちたパン屑拾って食べる」祖母は大笑いをして、このたとえは難しいのかと思った。


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