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2017.08.25 穀粒記者レポート「「少年たちの群像(9) 投稿者:岸野みさを

少年たちの群像(10)

 帰省で高速道路を走っている時、隣を大型の観光バスが並走していた。乗客が皆リクラインで寝ている姿をみて、小6のM子は「あぁっ!皆、睡眠薬を飲まされて寝ている!」
「アハハハハ でもそんなはずないでしょ」とママ。

インターでトイレから出て来たM君にどこかの叔父さんが「ぼうや、いい顔しているね」と言うと、その後ろからついてきた姉が「あっ、不審者だ!」と言った。また、その後ろからついてきたママが「シッ!」と制する。

 少林寺拳法をやっている6年生のC男は図体が大きいのにとても優しい気持ちを持っている少年だ。「おじいちゃんに行ってくるよ、と言っといてね」と見送りに出たおばあちゃんに言う。今、家の中で同じことをおじいちゃんに言ったばかりではないか。C男はパパがいなくてママは都内まで働きに行って、祖父母に育てられている。
 少林寺へ一緒に行っているM君が大きなくしゃみで淡を飛ばした時も「何か飛んだよ」と言った。M君の兄弟は「わっ、汚ねえっ」と言うのに。
クニャクニャ2人組、上記の2人は少林寺拳法をまだ始めたばかりで型のメリハリができず、クニャクニャなのだ。先生まで笑って見ている。
 
 釣りが好きな高1の男児、一緒に行こうと誘っても「女子2人に小3の男児とは行かない」とは言わないものの、そう顔に書いてある。難しい年齢だとは分かってはいるが、夏休みを家に閉じこもっていては親の心配が尽きないのだ。

 学齢前の子どもたち3人、田舎から送られてきた巨大南瓜や巨大冬瓜の野菜箱をみてびっくり仰天大興奮、まるで自分が収穫したかのような喜びようだったそうだ。贈り主はその喜ぶ顔が見たくてせっせと野良仕事に励むのだ。

 田舎の叔母ちゃんの家には倉庫があって、入ってみるとじゃがいもや南瓜や冬瓜や枝豆が床に置いてある。スイカやメロンもある。「わっー」と感動した男児は「おばちゃんの畑見せて!」おばちゃんはさっそく畑に連れて行く。おばちゃんが草を刈ると男児も慣れない手つきで草を刈る。おばちゃんがじゃがいもを掘ると一緒に掘る。泥だらけになってもいっこうに気にしない。家の中にいると姉たちにちょっかい出して喧嘩吹っかけているのにやっぱ男は外で稼ぐようにできているのだろうか、としきりに感心する爺婆だった。めだたし、めでたし。

 スマホばかりいじくっていてママに叱られている中1女子。只いじくっているだけではなかった。9月にお誕生日が来る親友の為に動画を製作してあった。2人で撮った何枚かの面白写真を繋げてアプリを使って製作したのだ。ビーと顔が横広がりになったり猫の鼻や耳がついていたり、面白変顔の中でも可愛さ満点、愉快さ満点の一枚があったので、「これ穀粒に使わせてよ」と言うと「いいよ、友だちの誕生日にプレゼントしてから聞いてみるね」という。「あっ、ヤバッ!ここに学校のマークがある」みると白い体操服の胸にマークがついている。「でもよく分からないわよ」というと「変質者って、こうやってよーく調べるんだってよ」そんなことまで知っていたのかと感心した。

 安曇野公園で天然の材料を使って自由に作品を作るグループに参加した小6の娘。作品を家族に見せてくれた。一見小さいし、何だろうと思ったが良く見ると木があって川があってその川に橋が架かっている。そこに小さな女の子が立っている。「この子どうしたの?」と聞くと「橋を渡ろうかどうしようかと迷っているの」と言う。「そうか、迷っているのか、私はてっきり渡ろうとしているのかと思ったわ」と筆者。

 雨で山が見えなかった日、白馬連峰の何枚もの写真を見ていた小3の男児。「さっきの水たまりのがいいね」と言う。「え?水たまりなんかあったかしら」パラパラ戻って「これ!」と言う。「あゝ、これねこれは八方池よ」「そうだ、池だった」「水が溜まれば池になるわよね」とフォローしたつもりのばあだった。

 庭で枝豆を枝からもいでいると、学生たちが10名くらい道路を走ってきた。私の家の近くの3階建ての洋風の建物が売りに出されて桜美林大学の寮になった。そこの学生たちだ。男女の黒人が何人も混じっている。桜美林に入るくらいだから優秀な学生たちだろうと思う。「足が細っ!」小さな声で下の孫娘が言った。本当だ。痩せていて枯れ木の様ではないか。でも走りは力強い。孫が肌の色のことを言わなかったのは偏見用語だと知っているのだろう。

 中1の女子。小学校の頃より一学期の成績が悪くなった。ママと三者面談のとき、彼女はハンカチで顔を覆い、一度も顔を上げて先生と視線を合わせなかったそうだ。若い男性の先生だ。そうか!とママは思った。先生がイヤなのか?理由を聞くと「不登校の生徒の気持ちが分かる。朝、家を出る時泣きたくなる」とそれだけ言ったそうだ。

 中3の孫に電話を入れるも「なんの用か聞いてくれ」と電話にでた下の妹に言ったそうだ。「電話に出なさい!この~」というと妹は「電話に出なさい!この~だって」そして筆者に「もっと悪く言っていいよ」と言う。「これ以上悪く言わないよ」と筆者。「じゃあ、私が言ってあげるね」「お兄ちゃん、おばあちゃん泣いちゃったよ~」すると「もしもし」となった。このすご業に仰天!


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