穀粒(こくつぶ)会員のための、創作および出版支援サイト

17110101ス岸野みさを

穀粒記者レポートトップへ

2017.11.01 穀粒記者レポート・『少年たちの群像(12)』投稿者:岸野みさを

 学校でコンサート鑑賞に行った中一のK子。感想文に「今度は家族で来たい。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に来たい、お金払ってもいい」と書いたそうで、先生が感心して親に伝えた。もう一つは感心できないことだった。「ホールの椅子の上に女子が8人あぐらをかいて座った」という。「最後まであぐらをかいていたのはお宅のお子さんでした」とのことで親は恥ずかしくなったそうだ。

 塾行かない宣言のS男。一週間後に塾の先生から電話が来て「ハイ、ハイ」で結局今日は塾に行ったそうだ。それでも電話の後、ため息ばかりついていたと言う。学校では今年も生活委員に立候補して演説の時先生が「経験は話さなくてもいいから」と言うと「イヤ、経験が貴重なんです」と反論してドッと受けたそうだ。昨年は生活委員長だった。3年生は委員長にはなれない。次に演説しようとした男子に「経験値は?」と誰かがはやし立てたそうだ。

 有名塾で有名校に入ったT君。高校に入るなりパッタリ勉強しなくなったという。有名塾でギュウギュウ詰め込みをしたせいかと親は案じている。ここは本人に乗り切ってもらうしかないと話し合ってはいるがやる気が起こらなく、成績が振るわないのだそうだ。

 奇跡の家族がある。お子さんが5人もいるのに里親もしている。朝起きるとそれぞれのお子さんは2つの家庭の責任があるそうだ。食事の用意をする女児。玄関の掃除をする男児。風呂の掃除、花に水やり、犬の散歩と一日の始まりをそれっ!とばかりに活性化する家族だ。それからモルモン書を一人一節ずつ読んで、さあ、朝食!それだけ体を動かせば朝食も美味しいことであろう!

 小学校の運動会の校庭で「あの子なんでぶっちょう面しているのかしら。何かあったのかしら?」と実母が43歳の息子がこちらに向って歩いて来るのを見て呟く。「そういえば、最近笑わなくなったわね」と義母が答える。二人共そばにいる娘の反応を見たいのだ。娘はポーカフェイスで黙っている。そこへ彼が到着。すると急に娘は「パパ笑って!」と言ったパパが「こうか?」と言って、ニッと笑った顔が可笑しくてみんな爆笑!

 「女子の殆どは担任の先生(若い男性」が嫌いでバイキンみたいに思っている。プリントを受け取る時もこうやって汚いものを受け取るようにしている」と親指と人差し指でプリントをつまむ格好をする娘にパパが「そんな黴菌なんて失礼だよ」と言うと娘は「パパはメンタルが弱いからね。先生は何とも思ってないんだから」と反論した。
パパの落ち込み様はかわいそうなくらいだったとママの弁。それを聞いた祖母は、ママは口挟まないんだ、と思った。それがいい。何しろ娘はお年頃!その場での2対1はまずいでしょう。

 進路指導の先生の講演を聞いた。自主的に勉強する子どもは10%。親や教師に言われて勉強する子どもは20%から30%。残る全員は勉強しません。子どもは勉強しないもの、と理解してください。ではどうすればよいか。自転車の行動範囲を超えて電車に乗って出かけて見聞を広げること。部活動でも何でも自分一人の力でやり遂げなければならないことを経験させること、と言っていた。教会では奉仕という良いプログラムがあるのだが…。

車での帰り道、デカイ小3の男児に、これまたデカイ小6の男児が一緒にこっちに向って歩いてくる。「兄弟」と言われているそうだ。体型が似ていてデカイというか、要するにデブなのだ。小3の方は結構機敏で運動神経も発達している。運動会のダンスでは紫色の長い鉢巻を風になびかせ「エイサー」を踊る姿が決まっていた。

IMG_3752  harouinn
 夜9時ころピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。中一の孫娘が「こんばんは」ときて、「電気消すからソファーに座って」と言うので「なぁに?」と言いながら真っ暗闇の中座っていると「オバケダゾー、ヒヒヒヒヒヒ」と上記のデカイ小3が何かに入れたロウソクの火を消さないようにソロソロと入ってきた。「なんだ?」と爺が言って「暗いよ、良く見えないよ」と、ばあが言うと「もういいっか」と姉が言ってパッと電気をつけた。「ワッ!」驚く爺と婆。「ヒヒヒヒヒ」デカイ南瓜が二本の歯を見せて笑っている。「お見事、今日はハロウインだね」と二人共笑う。白馬村の筆者の妹が裏の畑で丹精込めて作った直系20㎝以上もの南瓜だ。「中味は食べたよ。先日おばあちゃんが言っていたように、オーブンで焼いて食べたら、水分が飛んでホクホクだった」南瓜の皮は固いのにキッチン包丁だけで中味を取り除いて、目、鼻、口を綺麗にくり抜いてある。孫娘が「学校から帰ってきたら机の上に置いてあった」と写真をラインに挙げると大勢の友達からいいね、が来たそうだ。「誰が作ったの?と言われてさ、パパが作った」と嬉しそうに語った。この家族のコミュニケと笑顔が今年の収穫であるのは確かだ。

IMG_3753  ハロウイン(2)


認証コード(7966)

powered by Quick Homepage Maker 5.3
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional