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20091302岸野みさを

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2020.09.13 自分史・家族史「種になる」 投稿者:岸野みさを

今日一番嬉しかったことは一つの俳句ができたことである。

咲く花や 風に散らされ 実を結ぶ

どのように感じるかは読み手に任されているので、解説するのはヤボだが、花だって種になるためには散り果てなければならないのである。

落花で派手なのは椿だ。咲いたままの艶やかさでポトン、ポトンと椿の木のまわりに落花している。そしてやがてぐちゃぐちゃに朽ち果てゝ土に返る。

桜はどうだ。桜日本一で有名な伊那市高遠の桜。38万人もの人が通り抜ける皇居の桜。山全体が桜で覆われている吉野の桜。日本全国の校庭や川辺、公園の至る所に植えられている桜。森林公園の何千本という種類の桜。青空に映えるピンク色の満開の桜を愛でて花見を満喫し、やがてハラハラと散っていく桜に潔く惜別を送る大和魂は桜が醸成してくれたのだろうか?

支那の国は牡丹、西欧はバラ、というが桜は古から日本だけに生育し、日本国の象徴となった。桜を見てホッとため息をつき、日本人で(?)よかった、と言った外国人が多々いる。

ある時、有名なバラ園で見たバラに衝撃を受けた。バラの木にしがみついて黒く枯れているのだ。しっかりしがみついているから落花しないのだろう。あっちにも、こっちにもある。
その姿からは、かって花の女王と言われた面影は皆無で無残な姿であった。あゝ……。しかし、もしかして、その真黒く枯れた花弁の中で大切に種を守っているのだろうか?

故郷の白馬村に行ったとき真っ赤な赤い実が群生しているので家に飾ろうと思い取ってきた。弟の嫁が「それは野バラの実です」と言った。その丸っとした赤いサンゴのような輝きが野辺の藪の中で私の目を引きつけてやまなかったのだ。

  • 俳句って確かに良い句ができると嬉しいですね。私はいつまでたっても凡人の域を出ません。 -- 沼野治郎 2021-05-03 (月) 17:33:54

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