20102401岸野みさを
2020.10.24 自分史・家族史「認知症とノビレチン」 投稿者:岸野みさを
身内の一人が認知症になって家人が困惑している。ほうきをもって玄関のお掃除を頼んだのだが、「こうやって玄関の外にゴミを掃きだしてね」とやって見せると、逆に玄関の中に中にとはき寄せてくる。「外、外に」と言うとますます逆になったという。きつく叱ると本人が混乱して逆効果になるので家人は結局「私がやるから」で決着したのだった。
親戚が高価な牛肉を1kg持ってきてくれた。家人がいなかったので、出てきた彼に「冷蔵庫に入れておいてね」というと「あいよ」と返事がよかったそうだがそれっきり……何日か過ぎるとどこからともなく腐敗臭が漂ってきて、何?なに?と、家族中であちこち点検しても分からず、下水溝まで調べてもらったが異常はなかった。家人が、元民宿をやっていた広い家の風呂場の通路に置いてある古い洗濯機のふたを何気なく開けてみると「ウワーッ!あった!~」そこにまさしく牛肉が置いてあったのだ。それにしても玄関から入ると風呂場は右端で台所は左端なのだ。
病院に行ったときのこと、家人も診察を受けるので待合室で「ここで待っていてね」と言って診察室に入り、終わって戻ってみるといるはずの場所に彼がいない。さあ大変!人に聞いても知っているわけはなく、駐車場のおじさんに聞いてみると「さっき、軽トラ、軽トラは、と言って探していたおじいさんがいましたよ」と。家人は車を見つけられないので歩いて帰ったのかと思い急いで軽トラに乗って戻ること1キロくらい、スタスタ歩いている彼をようやく見つけたのだった。しかも自宅のある方向へ向かっていたのだそうだ。方向感覚は間違っていなかった。
家人はどこへ行くにも彼を連れて行かなければならない。畑仕事の草むしりなどは綺麗にするときもあるが、ほとんどは途中で嫌になって投げ出してしまう。今日は家人の妹が玉ねぎを植えるのを手伝いに来てくれた。二人が働いているあいだじゅう軽トラに乗ったかと思うと降りて、降りたかと思うと又、乗るという動作を飽きもせず繰り返していたようだ。足腰は達者で力もあって、重い荷物でも軽トラに難なく積むことができるそうだ。
彼は風呂は自分で入っていたが家人が様子を見てみると体を洗うことをしないでお湯を体にかけるだけだつた。それで、お風呂に入れる仕事が増えてしまった。今のところそれくらいなのでまだ、認知症の序の口かと思われるが……。
TVの健康番組で知ったのだが、沖縄の大宜味村特産のシークワサーの中にあるノビレチンという成分が大宜味村を日本一の長寿にしているのだという。柑橘類の果皮に含まれるフラノボイドの一種であるノビレチンは新しい神経ネットワークを作って、壊れた脳細胞を補ってくれるという。シークワサーにノビレチンが多い時期は9月から12月の熟する前の緑の時期に収穫した青切りというものでジュースにしたものが良い。
認知症明日は我が身、と案じての注文だった。彼の分も注文した。あれから一年が過ぎ、夫と二人で11本目が今月で終わる。ヨーグルトにかけると、とても美味しい。青い生のシークワサーは焼き魚やサラダにかけると、とても美味しい。なんとノビレチンの含有量は温州ミカンの20倍、カボスの50倍、グレープフルーツの267倍だそうだ。
- シークヮーサーの含有量、凄いですね。認知症は、本人には天国の方もいらっしゃいますね。嫌な事忘れて、好きなこと繰り返し、…でも、家族は大変です。大きな子供だと思って、対応しないといけないですね。大人だと思うから、これくらいできるだろうと思ってしまいます。認知症になっても、大人しくニコニコしていたいものです。
認知症でないのに、絶えず問題を起こす大人や子供もいます。正気で騒ぐのは、もっと大変!引きこもりや……色々あります。日々の暮らしの小さな幸せに気づいて感謝したいものですね。 -- 牧瀬美代子 2020-10-28 (水) 11:28:00 - 確かにそうでした。
「認知症でないのに、絶えず問題を起こす大人や子供もいます。正気で騒ぐのは、もっと大変!」
それを思うと認知症はまだいい方だということですね。 -- 岸野 みさを 2020-10-28 (水) 12:42:06
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