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2021.02.03 詩・散文「大根足考」 投稿者:徳沢 愛子

大根足とは言うが
当世の大根は
当世風に次第にスマート品種改良
源助大根は変わったか
太い足を何と言おう
主婦はなぜか概して太い足
主婦足と名付けたら
たちまち抗議電話
主婦が先か 大根足が先か
にわとりと卵式でよくわからない
一日 足ばかり眺めていた
電車で 改札口で
スーパーで 大通りで
太い足は低い靴をはいている
南瓜やキャベツを買ってこなければならない
牛乳 石鹸だって
       (今こそ取柄の見せ所)
太い足はだらっと頭を上向かせて
眠ってしまった子を背負わねばならない
       (母の忍耐 縁の下)
太い足は惚れたはれたから
縁遠いと思っているので
幼な子のように謙遜になってしまっている
       (謙遜は美の上をゆく)
太い足は甘い物が好きなので
一度でいいから香林坊あたりで
梯子をしたいと夢みている
       (甘みばしったいい女)
太い足はゆったり歩くので
庭の端からのぞいているピンクの日日草と
つい目が合ってしまう
       (永遠のようなこの一瞬)
太い足は 大地と
しっかり結びついて天を仰ぐので
信仰という言葉を知っているらしい
       (愛は支えることに他ならぬ)
昨日 後ろから歩いてきたご亭主に
一方通行の一口夫婦会話
お前の足は足首から太いなァ(………)

  • 面白い!最後のオチなど思わず笑ってしまいました。こういう時は人生をある程度達観していないと書けないと思います。脱帽です。 -- おーちゃん 2021-02-04 (木) 10:47:45
  • 偉大な大根足さま、さすがの取柄の見せ所にはウーンと唸りました。「甘みばしったいい女」なんて初めて目にしたガッテン言葉です。一途な女の一生はかくあった、いいえまだまだ、ピリッとしたペーソスと高貴な笑いを創り出して届けてください。 -- 岸野 みさを 2021-02-04 (木) 14:40:50

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