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2021.04.12 評論・研究論文「世界で一番貧しい大統領のスピーチ」投稿者:砂川 公子

詩と詩論「笛」2021年4月295号より転載

「百年に一度の災害が迫っています」 「生命を守る行動をー」と近年、百年 に一度をよく耳にする。パンデミック (感染爆発)もその一つである。ここに あぶりだされるのは地球環境の問題だ。二〇一二年、 リオ会議で国連の地球サミットが行われた際、南米ウルグアイのムヒカ大統領が問いかけた名スピーチが今だに光彩を放っている。会議は持続可能な発展と世界の貧困を無くすために、各国の代表が明確な方向性 を示せない中、彼は一番最後に立った人口三百万人余の小国の大統領だった。 彼のスピーチは「一つ質問をさせて 下さい。 ドイツが一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるでしょうか。」「息をするための酸素はどれくらい残るでしょうか。それは可能でしょうか。」と語って始まった。「私たちは発展するために生まれたのではない」と結んで、大反響を呼び、日本では、『世界で一番 貧しい大統領のスピーチ』という絵本 でベストセラーにもなったので知る人 も多いだろう。 先日映画『ムヒカ世界で一番貧しい大統領から日本人へ』を仲間と一緒に見る機会を得て、その詳細を知ることができた.日本人の若手監督田部井一真氏がアポなしで会いに行き、三年間の交流の軌跡を追ったドキュメンタリーだ。大統領が貧しいのは報酬の九割を寄付していたからだった。
ここでは現地の生き方や、意外な彼 と日本人との関係、そして来日ー「ここを訪れなくては日本の歴史への屈辱になる。」と、ヒロシマを訪問。旅の先々の言葉が真実を突く。学生へのスピーチでは、日本の報道批判ともとれる、 情報を判断する疑いの目を持つことの 指摘が新鮮だった。一番大きな貧困は 孤独であること。もので溢れることが 自由ではなく、時間で溢れることこそが 自由であることも、私たちはいつでも人と人との関係で幸せになれることも、あたりまえのようでいま特に新鮮なのだ。 コロナ禍からの復興をめざす上で、また環境問題を考えるとき、グリーン リカバリーの脱炭素化を経済モデルに 掲げるのも必要だ。一方で、一人一人 がこれからどのような生き方へと修正 していくのかが切実に問われている。

  • 転載させて頂きありがとうございました。悪いニュースが蔓延している中で善いニュースを捜し、広めるのに苦労します。「皆が幸せになることが自分の幸せになる」とムヒカ大統領は実践されておられますね。世の中の課題解決も一人一人の生き方によるところが大きいと私も共感します。 -- 岸野みさを 2021-04-13 (火) 21:49:39

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