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22051901堤 明子

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2022.05.19 短歌・俳句「思い出の短歌」 投稿者:堤 明子

NO1 (1950年頃)

春嵐の過ぎて静けし土手の上、
おおいぬふぐり群れ咲き始めぬ

手触れればかそかに揺れて藍こぼる、
おおいぬふぐり吾が愛でる花

気丈にて仲間外れのをみな子が
白つめ草のレイを編みいる

長身の仁王の顔も和むごと、
見えつつ赤き椿散る山門

溶かさずに置たしクリーム、
幼な手に握られいるプレゼント

先生と二人で食べたく買い来しと
泣き泣き差し出すアイスクリーム

われの持つ信条子等にわからずに
今日も冷たく暮るる秋の日

No2(1996年頃)

天地の恵み豊かに頂きて
心安けく今日も終わりぬ

たまゆらの命清けく生きたしと
祈るこの朝白百合の咲く

この平安親しき人に分かたんと
思いて黙す御栄えの部屋

心深く温もり行くよ姑(ハハ)と実母(ハハ)の
親しき会話縁に聞きいて

腹の中丸ごと出して見せるごと、
姑は思いの丈を語りき

産褥の娘に与えんと庭先の
ブルーベリーの紫を摘む

初冬の静もりの中鈴成りの柚子は
黄の色増してあざやか

寄り合いて労り合いているごとく
たわみて柚子は木洩れ陽をうく

No3(1999年頃)

黄泉路行く母の足元照らすがに
霜月の宵を冴ゆる月かげ

たらちねの母は召されぬ
白き月照らす夕べに

甦り民癒し給うキリストの
映像に見入り涙さしぐむ

ガラス絵の光まばゆき部屋に坐し
天の御国の平安を受く

日の栄の部屋に黙してたまゆらの
生命を聖く歩まんと誓う

春波の寄せ来る海岸歩み来て
サナトリウムに姑を見舞いぬ

湘南の海岸走るローカル電車
春波のごとゆたゆた行きぬ

  • 優れた短歌を数多く詠み、記録していらしたのですね。私は1958年に16歳で改宗、堤姉妹は先輩とお見受け致します。 -- 沼野治郎 2022-05-20 (金) 22:37:34
  • どの句も堤姉妹の豊かな感性によるものと拝読しました。ありがとうございました。特に一つと問われれば、笑みを誘う「長身の仁王の顔も和ごむごと見えつつ赤き椿散る山門」
    です。 -- 岸野 みさを 2022-05-21 (土) 21:20:34
  •  私にとって短歌の世界は未知のものです。
     でも、心を満たしてくれる何かを感じます。
     また、堤姉妹という方を、知性の持ち主を感じることができ、喜びすら感じます。
     ありがとうございます。 -- 丸山幹夫 2022-06-24 (金) 23:34:56

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