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2023.05.17 自分史・家族史「ちょっといい話(3)」 投稿者:岸野  みさを

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 神殿に入ると神殿長が出迎えて下さった。夫は「こんな格好になってしまいスミマセン」と言って挨拶したのだ。神殿長が何と答えたのか狼狽した私の耳には届かなかった。ただ、彼が手を夫の肩に廻したのが目に入った。こんな格好とは、歩行器に寄りかかって、腰を曲げて辛うじて歩く夫の姿である。夫はパーキンソン病で手足を動かすことが不自由になった。

 儀式が始まって夫が遅れて部屋に入ってくると「岸野兄弟、以前一緒に神殿で働きましたよね」とシーラーが言った。「ハイ」私はパッと気持ちが晴れていくのを感じた。5組の夫婦の結び固めと他の人たちの身代わりも終えて、部屋を出ると向こうにD・E兄弟が見えた、と思ったら夫が「ヨッ!」と言って歩行器から片手を離して、手を振ったのだ。私はなんだか可笑しくて「あんたよくわかったわね」と言いながら笑った。D・E兄弟はジイーと夫を見つめるも思いだせないようだった。「あゝ」とようやく思いだせたようだったが「岸野姉妹が分かったから、分かった」とのことだった。

 パーキンソン病とは脳の中心部で中脳というところにある黒質の神経細胞が損傷した結果ドーパミンという筋肉を動かす指令をコントロールする物質が減少し、自由に体を動かすことができなくなる病気である。この黒質神経細胞はわずか1gしかない。この黒質神経細胞は活性酸素によって傷つけられる。パーキンソン病の4つの特徴的な症状は以下の通リで、「安静時のふるえ」「体のこわばり」「動作の緩慢、無動」「歩行障害」夫は後者の二つが顕著に現れている。

 パーキンソン病の進行の度合い、ヤール重症度分類でみると両側の手足に症状があり、歩行困難があるので3度になるかと思う。ドーパミン神経が減少して、ドーパミンが十分作れなくなると指令を線条体に送れなくなり、線条体から大脳皮質にうまく伝えられなくなる。

「わたしたちが神の国に入るのには多くの苦しみを経なければならない」(使徒14:22)

「見よ、わたしはあなたを練った。しかし、銀のようにではなくて、苦しみの炉をもってあなたを試みた」(イザヤ48:10)

  • 岸野兄弟、姉妹、素晴らしいですね。大変穏やかな、岸野兄弟が懐かしいです。お元気にお過ごし下さい。ありがとうございます。 -- 塚原俊英 2023-05-18 (木) 06:23:01
  • 写真を拝見し、馥郁たる人生を感じました。
    お伝えしたいことを言葉にしようと決心しました。

    兄弟は永年の私の模範であり、私もこうありたいと思わせてくれた憧れの人です。

    借り物ではありますが、私の気持ちと同調した漢詩をお送りします。
    https://kanshi.roudokus.com/koudoukan.html

弘道館に梅花を賞す  <徳川 斉昭>
弘道館中千樹梅

清香馥郁十分開

好文豈是無威武

雪裡占春天下魁

読み方、意味はサイトにあります。 -- ふわふわの 2023-05-18 (木) 11:28:50

  • 切ない気持ちで拝読しました!お二人で前進するしかありません!どんと引き受けて美味しく食べて、さぁ来いで行きましょう😂 -- 徳沢愛子 2023-05-18 (木) 16:14:31
  • 大空に伸びた神殿をバックに写るお二人はモデルの様にCoolですね。以前八王子支部でなれそめを聞いた時のエピソードを思い出しました。学生だった兄弟が帰郷するので、みさを姉妹が駅に送って行き、出発のベルが鳴りドアが閉まった時「急に寂しさが溢れました。」と話していました。私はその場面が、
    映画の一シーンの様に感じました。
    いつまでも若い頃のフレッシュな思いを持って、お二人で歩き続けてください、
    -- 高橋眞紀子 2023-05-18 (木) 19:49:15
  • 素敵な、お写真ですね。お二人はいつも、人知れず人の為に働いていらしたことを知っています。
    ある日、平日の日中に、私が自分の召しの準備の為に教会に行った時、岸野兄弟がいらっしゃいました。「あれ?何なさってるんですか?」と、お聞きしたら「いや〜、ちょっとお水を・・・」照れ屋の兄弟は、木や草花にお水を与えたり、手入れをなさっていたのです。人知れずなさっていたのに、私に知られたので照れくさそうに笑っていらっしゃいました。
    岸野兄弟らしいなぁと、微笑ましく思ったものです。
    いつまでも、お元気でいらして下さいね。^_^
    -- 牧瀬美代子 2023-05-18 (木) 20:16:01
  •  兄弟のお顔がなんとも言えず素晴らしい笑顔なのが印象的です。
     神様の真の僕は皆このようなお顔なのだと思います。
     神殿に行くまでの準備、車で1時間半はかかるでしょう。遅れてはいけないと早くから支度をしいつもとは違うスケジュールがまた大変。車の振動、ブレーキ、カーブに耐えやっと神殿に着いて、自分では着替えもままならずたくさんの方達の助けを受け、気を使って、帰りも薬の時間、何か食べないと、色々大変だっでしょうね。
     多分それから2日くらいは身体も大変だったのではありませんか?
     でも、不思議なことに心は神殿の中でも家でも満たされていると言うか違いますよね。
     全てに感謝ですね、
     岸野兄弟に感謝です。姉妹もナイスフォロー。
     ありがとうございました。
     一緒に参入できると良いですね。
     私の永遠の指導者に感謝します。 -- 丸山幹夫 2023-05-19 (金) 12:37:58
  • 皆さま、友情あるコメントありがとうございました。生きている限り神の家に入って、神の業に励み、世界の平和を祈ります。また、皆さんと神の家で繋がっていることを心に強く感じ、神に感謝を捧げます。 -- 岸野 陽 2023-05-20 (土) 19:36:20
  • 皆さま、応援コメントありがとうございました。確かにいい笑顔の夫で私も嬉しいです。投薬のせいか毎日眠る時間が多くなりましたが、週に2回デイサービスに行き、皆さんと楽しく過ごしています。風呂付き昼食付きです。その建物はもとガストだったので、設備は万全なのです。
     今年はプチトマトの苗を10本プランターで育てていますが、その育て方をデイサービスの仲間に聞いてきました。水を毎日あげることだそうです。長野の妹にも聞いてみるとプランターは畑と違い水が出てしまうので毎日必要です、と言われました。 -- 岸野 みさを 2023-05-20 (土) 19:53:51
  • 読みながら思い出しました。責任を終えると届く労いのカード、クリスマスカード、一緒に働かせていただいた日々、、、いっぱいいっぱい。いつも模範をありがとうございました😊 -- ジャスミン 2023-06-03 (土) 19:52:08

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