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岸野みさを2014CMM

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Merry Christmas・・・クリスマスのメッセージ
 

O Holy Night - Susan Boyle

初めてのクリスマスの思い出
 
 
岸野 みさを

大東亜戦争の終戦後、私が初めてクリスマスということを知ったのはハンス・クリスチャン・アンデルセンの「マッチ売りの少女」という絵本を読んだ時でした。

以下は私の記憶の中にある「マッチ売りの少女」なので原文とは違うところがあるかもしれません。

マッチ売りの少女は雪の降る町の大晦日、家路に急ぐ人々に「マッチはいかがですか?」と声をかけました。誰一人足を止めてくれません。歩き疲れた少女の目に映った窓越しの室内には、温かい暖炉を囲んで子供たちと家族の楽しげな団欒の光景がありました。食卓には沢山のご馳走が並んでいます。

少女は寒くて凍えそうでした。
「そうだ、マッチを擦ってみよう」少女はかじかんだ手でマッチを一本擦りました。
ボーッと暖かい炎が燃え上がりました。するとどうでしょう。奇跡のように暖かいストーブが現れました。「わあ!」温まろうとするとストーブは消えてしまいました。マッチが燃え尽きてしまったからです。

少女は2本目のマッチを擦りました。「わあ!」今度は焼いた七面鳥が現れました。湯気がたっていて、香りもしてきました。とても美味しそうです。見とれている少女の目の前でまたしても七面鳥は消えてしまいました。

少女は3本目のマッチを擦りました。「わあぁ!」今度は大きなクリスマスツリーとケーキが現れました。ツリーの飾り付けがキラキラ輝いています。またツリーの下には赤いりぼんのかかったプレゼントの箱が置いてあります。少女は「消えないで!」と叫びました。

その時流れ星がスーッと夜空を横切りました。「流れ星は誰かが死んだとき流れるのよ」と大好きなおばあちゃんが話してくれたことを思いだしました。

すると大好きなおばあちゃんが現れました。「おばあちゃん!」声をかけるとおばあちゃんは消えてしまいました。「消えないで!おばあちゃん!」少女は全部のマッチを擦りました。
するとおばあちゃんはニコニコして現れました。「おばあちゃん!!」少女はおばあちゃんの腕の中へ飛び込んでいきました。おばあちゃんは少女の冷たい体をしっかりと抱きしめてくれました。

次の朝、少女は軒下で凍え死んでいました。その顔はニッコリした笑顔のままでした。

今思い出しても、なんという哀しい物語でしょうか。子どもの私は涙をポロポロ流しながら読んでいました。
でもなぜか、最後にホッと安心したのを覚えています。
今思うとそこに救いを感じたからだと思います。
大好きなおばあちゃんの腕の中で死んだ少女はようやく幸せになったのです。

クリスマスを知らなかった私は、よその国では人々がクリスマスツリーを飾り付けてお祝いをして、ご馳走をたべることをその時初めて知りました。それまで私は七面鳥を食べたこともケーキを食べたこともありませんでした。終戦後の食糧難の時代です。

当時私の家では、大晦日にはおもちを杵で突いて、父が鉄砲を担いで山に入り、狩りをしてきたキジや野兎の肉を大根などの野菜と煮込んだものがご馳走でした。私は味のついた野菜が好きでした。

画像の説明

クリスマスは世の救い主贖い主イエス・キリストの降誕をお祝いする日であることを、ずっと後になってから知りました。

「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ、主なるキリストである。」 (ルカ2:10-11)

我が家のクリスマスツリー2014         

サンタ、ロウソク、ピンクとグレーの鐘
靴下、メリークリスマスと記したバック
(キャンディが2個入る)
赤いボールはわが子のために
40年前に毛糸で編みました。

中央下にある布の靴下、プレゼントの箱、
中に星のあるリースは高畑千枝子姉妹が
孫のために布で作りました。
くるみを半分に割った中にある          
赤ちゃんのキリスト、マリヤ、ヨセフの人形は
ドイツのケーテ ウオルファルト 
ローテンブルグ店
(毎日がクリスマスの店)で
買ったものです。

画像の説明   画像の説明 
 
 
 

  • メッセージを有難うございました。そういえば、わが家では永年クリスマスツリーなんて飾った記憶がありません。年末ぎりぎりまで仕事に追われることが好例なものですから、無精なクリスマスです。今年も、お送りいただいた画像を見て代用させていただきます。 -- 昼寝ネコ 2014-12-18 (木) 00:11:44
  • 昼寝ネコさま
    ご多忙中掲載作業ありがとうございました。画像を見て一休みして頂ければ幸いでございます。 -- 岸野みさを 2014-12-18 (木) 06:25:52
  • 私が教会を知るまで、いえ、知ってからもしばらくは、クリスマスの時期は、あまり良い気持ちを感じたことはありませんでした。なぜかと言われてもわからないのですが、何かお祝いをするでもなく過ごしていました。しかし、今は、神様への思いや他の方たちへの思いを募らせるとき、神様の愛とイエス・キリスト様の贖いの犠牲に心から感謝する気持ちが出てきます。ゆっくりこれらのことを考える時間を取ることが必要ですね。いつも、素晴らしいメッセージ等、ありがとうございます。良いクリスマスをお迎えください。 -- 丸山 幹夫 2014-12-18 (木) 09:06:45
  • 経済的に恵まれない少女時代を過ごしたアンデルセンの母親の背景を題材にした「マッチ売りの少女」には双子の妹がいた。同じような境遇で天に召されたかけた妹におじいちゃんが現れマッチが売れる方法を教えた。マッチ売りに成功した妹は蓄えたお金で姉のために立派な墓を立てた。クリスマスには姉妹で売っていたマッチでキャンドルに灯をともすことを生涯忘れなかった。 -- 天国34丁目の奇跡 2014-12-18 (木) 10:27:03
  • 丸山幹夫さま
    かつて戦火の中にも「クリスマス休戦」があったほどに、クリスマスといえば世界に平和が訪れたかのようにでした。人々は平和の君の降誕とその使命を知ることもなく平和の気持ちを味うことのできるクリスマスシーズンは、確かに主から贈られた忙中閑ありの年末の記念日ですね。 -- 岸野みさを 2014-12-18 (木) 10:48:58
  • 天国34丁目の奇跡さま
    「マッチ売りの少女」はアンデルセンの母親の背景を題材に創られた物語だということは
    知っていましたが、双子の妹がいたことは知りませんでした。世界の名作から更なる物語を展開させるという〇〇〇文学(その名称が思い出せない)でしょうか? -- 岸野みさを 2014-12-18 (木) 11:00:50
  • クリスマスというと思い出すのは、クリスマスキャロル、幸福の王子、そしてマッチ売りの少女。このようなお話に育まれてきた戦後生まれ。子供心に、クリスマスケーキと暖かな家があることに感謝していたのでした。でもこんな立派なツリーはありませんでした。忘れていた「マッチ売りの少女」に出会えて嬉しかったです。 -- あらら 2014-12-20 (土) 16:17:33
  • あららさま
    「体調がよくなったらコメント入れます」と以前おっしゃっていたので少し安心しました。私の齢になると体調さんとはなんとか折り合いをつけていくものと思っています。 -- 岸野みさを 2014-12-20 (土) 19:43:41

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