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14052501昼寝ネコ

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2014.04.25 エッセイ「予感や予兆の世界からの訪れ」 投稿者:昼寝ネコ

Voce vai ver ✶ ROSA PASSOS
 
予感や予兆の世界からの訪れ
 
昼寝ネコ
 
標識や目印のない広大な砂漠で
コンパスもなく、ただ勘を頼りに旅を続けている。
・・・ようなものだと、やや自嘲的に思うことがある。

照りつける太陽や砂嵐、飲み水の欠乏、飢えなど
あらゆる苦難を味わい、あるときはラクダの寿命が尽きる。

なんと無謀な旅なのだろう、と人はいうかもしれない。
だが途中でオアシスを見つけ、隊商からは乾燥させた
肉と果物を分け与えられ、またあるときは不思議なことに、
大きな野鳥が、木の実を運んでくる。

何年もそんな風に、
地平線しか見えない砂漠を旅していると、
嗅覚が発達してきて、目的地の匂いを
嗅ぎ分けられるようになる。
聴覚も発達してきて、
視界の向こうのざわめきが聞こえる。

誰か、「人生」を手に取り、
あるいは実際に見たことがあるだろうか。
長年にわたって虚無を背負い、足を取られながら
砂漠を旅してくると、不思議なことだが
目に見えないはずの、そして手に取ることなど
決してできないはずの「人生」が、蜃気楼以上に
幻想的な姿で、視界に拡がるのを感じる。

目的地に到達した人間と、
目的地を目指して、ひたすら方向を変えずに
歩き続けている人間とでは、
目に見えるもの、手で触れられるものは
まったく異なるはずだ。

しかし、どんな人間にも避けられず存在する
「苦難の旅路」には、
未来から発せられ、現在を支える予感や予兆が
かけがいのないオアシスとなる。

もうじき地平線が切れ、目的地が視界に入る、
そんな予感や予兆に支えられて、
人間は長い旅を続けることができる。

振り返っても、足跡は風にかき消されているが、
心の中の思い出だけは、
いつでも振り返ることのできる、そして
手に取ることができ、決して風化しない
唯一の人生なのだと、人間はみな
人生の旅の終わりに、ようやく気づくことになる。
 
 
 

  • 昼寝ネコさま
    「苦難を背負いながら歩み続ける方への激励メッセージ」であると解説がついていました。目を向けるだけで救われるというありがたい、簡単明瞭な信仰を保持してきて、命と救いを得ている自分には、難解で解読回路が繋がりません。また、私の場合、心の中の思いでさえも忘却の彼方へ飛び去ってしまうために、天と地を造られた主のみ名にすがるしかないのです。 -- パシリーヌ 2014-05-26 (月) 07:00:06
  • 「未来から発せられ、現在を支える予感や予兆がかけがいのないオアシスとなる。」というところがとても心に響きます。まさにそこに希望があると思います。 -- 青い空 2014-05-26 (月) 07:44:24
  • パシリーヌさん 感じ方、捉え方は人それぞれだと思います。比喩的、婉曲表現はあくまでも私自身の趣味嗜好ですので、読み流してください。 -- 昼寝ネコ 2014-05-26 (月) 12:21:43
  • 青い空さん 共鳴していただける部分があって良かったです。あるイメージや抽象的な概念を、どのように表現するかは、なかなか難しいものですね。 -- 昼寝ネコ 2014-05-26 (月) 12:24:02
  • 青い空さま
    解説ありがとうございました。やはり凡人には読み取れませんでした。現在が支えられているのは過去ではなくて未来だったのですね。果たして自分の未来は?と危惧するばかりです。 -- パシリーヌ 2014-05-26 (月) 12:27:06
  • 人生の旅路は平坦ではないですね。砂漠は見たことがないので、今までイメージしたことがなかったし、考えてもみませんでした。砂漠にはオアシスがあり、商隊や野鳥から助けられることもあるのですね。心にしみるメッセージありがとうございます。苦難の旅路の中、私は穀粒というオアシスに導かれました。
    -- としえ 2014-05-30 (金) 18:54:40
  • としえさん
    穀粒は、何も気兼ねすることなく、自由にご利用いただけますので、勝手知ったるわが家のようにご利用ください。カテゴリーも多面的に用意されていますので、うるさい人もいませんし、活用していただければ嬉しく思います。 -- 昼寝ネコ 2014-05-30 (金) 19:01:54

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