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2016.09.25 自分史・家族史「少年たちの群像」 投稿者:岸野みさを

おれら悪の手下
 男の子が12歳になるとプライマリーを卒業してアロン神権者になる。その時、高尾ワードの伝統では○○軍団が来て、その子の手を引っ張ったり、服を引っ張ったりしてプライマリーの分かち合いの時間から略奪していくセレモニーがある。ある時、軍団の1人が「おれら悪の手下」と言って分かち合いに乱入してきた。何人かの大人が「それじゃ、渡さない」と騒ぐと他の1人が「今日は何日でしょう?」と言い「あっ、4月1日だ」セレモニーは本物だったが悪の手下はエプリルフールということだった。結局1人の男の子が略奪されていった。

キャンプで火を起こす
 C君の話。僕は虫眼鏡で火を起こす当番だったが煙しか出なかった。隣りのグループは木と木をすり合わせるのだが、やはり火は出なかった。もう1つのグループは電池を使って火を起こすことが出来た。昔の人たちは体力や知力があると思った。今の時代の軟弱人には電池が丁度いい。 

暴れはっちゃく
 「つまんなーい」と言ってはプライマリーを抜け出したH君。「まだ、終わらないの?」と言ってはレッスンでグズグズ言っていたH君。バプテスマの日の緊張感は見たことがない姿だった。
バプテスマの水をくぐると別人のようになった。按手を受けると別人のようになった。
「変わったよね」というと「……」。人の言うことを考えて聞くようになったのか。みんなこうして大きくなったのだと思う。救いの計画に感謝!

どれが正しいでしょう?
 CTRのクラスで教師が「神殿は次の3つの言葉のどれが正しいでしょう?」と質問した。1、神殿は聖餐を受けるところ。2、神権を受けるところ。3、啓示を受けるところ。Eちゃんは「聖餐と神権」S君は「啓示」Yちゃんは「啓示、啓示、啓示」と3連呼した。「よく分かったねぇ」と教師は感心してしまった。
 もう一つの質問。次の悪王の名前はどれが正しいでしょう。ハラデ王、ハナゲ王、ヘソデ王、ヘロデ王。子供たちは大爆笑。実はこのハナゲ王はレッスンの準備をしている時Yちゃんが考案して教えてくれたものだという。

受精卵がピョーン、ピョーン
娘が第1子を身ごもった。画像で何かがピョーン、ピョーンと跳ねているのを見た、と電話で知らせてきた。赤ちゃんが運動しているのだという。心音はまだないのに、生命の神秘を見た娘は「面白いわ!」と言った。私らの時代はオギャーと産声を挙げるまでは神の領域だったのだが、医学の進歩も驚異的だ。いまその赤ちゃんは中学生になってテニスでピョン、ピョン跳ねている。

イエスさまに会うには
 H姉妹が分かち合いで「イエスさまに会うには」というテーマで、お祈りと聖典を学ぶ、預言者に従う、とお話していると隣にいたS君は言った。「オラ、知っているよ。イエスさまに会うには死ねばいいんだ!」「ウッ!」となった私は「そうね。でも次の世界は2つあって、1つの方に行くとイエス様に会えないんだよ」「……」H姉妹のお話中だったので会話はそこで途切れた。

初めてのスキー
 雪質はパウダーのゲレンデだが兎に角スキー板が滑るので、転ぶこと、起き上がれないこと、雪の中へ突っ込むこと、坂を登れないこと、あれよ、あれよと言う間に3人の兄妹が同じような騒ぎになって、キャーキャーだった。初めてではない彼らの従兄は登りもブレーキも楽、楽だ。転んだ子を起き上がらせようとしている。1人いない!と慌てると、なんと、緩やかな傾斜をスキーが勝手に滑り降りて行ったのか、フェンスに突っ込んで雪まみれになっていた。3日目、全員が滑れるようになった。運動神経抜群の子はストックなしでブレーキをかけながら斜面を滑り降りてくる。おまけに「あれやりたい」と指さす方をみると若者たちがスノボーをやっていた。

不登校の始まり
 K君(8歳)の友だちはいつも学校帰りが一緒なのに、2週間前から先に帰ってしまい1人で帰ってきたことがK君にとって相当なショックだったようだ。朝も何故か先に走って行ってしまいK君が「待って!」と言っても構わず行ってしまうのだという。親が3時間目から連れて行ったり、迎えに出たり、登校時間が来るとお腹が痛くなって「行きたくない」と泣く。彼のパパは子どもの頃人気者だったので、そんな息子の繊細な気持ちが分からない。その後約1年間グズグズして、祖父がクラスで授業を参観したり、パパがおんぶして校門まで行ったりしたが、今は何事もなかったかのように中学に通学している。3年生だ。

あれうちんちのだ、と言わなかったニーファイ
 T君はレッスンで「ニーファイってすごいね。レーバンの宝物庫に奪われた金や銀があるのを見ても真鍮版しか持ってこなかったんだね。あれ、うちんちのだなんて思わなかったんだね」

やるならオレをやれ
 ママが病気で入院しているので4歳の妹はストレスでパパや叔母や兄に噛みついたり、叩いたりする。おばあちゃんにも同じようにしようとしたとき8歳の兄が遮って「やるならオレをやれ」と言って、やられていたという。ママに会いに行って家に戻ると彼女は泣き続けるのでパパは行くのを禁止した。

がんばりやさん
 バプテスマの紹介でフラフープが2、3回しかできなかった娘が数日たつと1000回もできるようになった。彼女は8歳にして4人の弟妹の長女になってしまった。家事育児はもっぱら彼女の仕事だという。

ランドセルを背負って朝食
 A君は一年生になって朝6:30に起きるのはいいが、着替えをして、ランドセルを背負って帽子を被って朝食を食べるのだと言う。その度に親が「取りなさい」と言う。家を出る時も飛び出していく。A君の積極性は実に嬉しいことだ。家庭の夕べも興味津々で一度も嫌がったことがない。

6歳の子の心配は
 欲しかったレゴを祖父から買ってもらったA君はとても喜んで「ありがとう」と言って、車から降りる時も「今日は楽しかった。ありがとう!」を繰り返し「ちょっと待っていて」と言って、「ハイ、レゴのお金」と言いながら200円を自分のお小遣いから持ってきた。
祖父が「いいんだよ」と言うと「おじいちゃん貧乏になっちゃうから」と祖父に渡したそうだ。祖父はありがたくもらったという。

雨が降っても傘をさして行く
 原因不明のめまいがすると言って学校を数日休んでいたA君。彼の祖父は、朝、散歩をしてみてはどうだろうと思い6:30amに迎えに行って、2人で桜公園を散歩している。A君はペラペラ話をするそうで、最初の日は「おじいちゃんの小学校の頃のことを教えて」と言ってきて昨日はBSの動物村の話だ。そして、「おじいちゃん毎日来てね。雨が降っても傘をさして行く」と言ったという。1週間、朝の散歩や縄跳び、バトミントンをやり、土曜日には高尾山に連れて行った。本人は「おじいちゃんと朝の散歩をしているのでめまいがなくなった」と喜んでパパやママに言った矢先、今度は扁桃腺炎になってしまった。

未完の象徴
 中学2年のA君に数学の先生が質問してきた。国会議事堂の中央広場にある3人の銅像は誰か?A君は即座に「板垣退助」「大隈重信」「伊藤博文」と答えた。更に4つ目の台座は何の為にある?と聞かれてA君は「4人目を人選できず将来に持ち越された」また、「政治に完成はなく未完の象徴という意味もあります」と答えて100点満点で先生は感心したという。A君の最近の数学のテストは60点。

坊主になろう
 中学の柔道部の部長(生徒)が「今度の大会に向けてみんな坊主になって願掛けをしようじゃないか」と言うと、10人全員が丸坊主になってきた。部長は内心「えっ?真に受けちゃったか」と思ったそうだ。部員はみんな地元出身ではなく電車やバスで通学している。彼らの近くの中学校には柔道部がないそうだ。試合の成績もいいのだと言う。コーチは体育の教師で黒帯。で、試合の結果は?大会はこれからなので、はてさて?

何かと娘の話になる教師
 第1子が誕生した社会科の先生は何かというと娘の名前を連呼して「かわいいんだよ」と言うそうだ。生徒が「じゃあ合唱祭に連れてきてくださいよ、奥さんと一緒に」と茶化すと「泣いちゃうからダメだな」すると「この顔を見ると笑っちゃうと思います」と1人の生徒がヘン顔をした。すると「先生、国家主義、国家社会主義、社会主義、全体主義の違いは何ですか?」と聞いてきた生徒がいた。「主義の勉強は高校からです」と言って「娘がね~」と続けるのだそうだ。

散々苦労す
「サンタさんがプレゼントをポストに入れて行ってくれました。サンタの皆さんありがとう。私らの若い頃はサンタクロースのことを『散々苦労す』と言いました、と私が話すと「なあにそれ?」と子供らは言った。そうか、散々が分からないのだった。

敬老の日の祖父母へのプレゼント
 中学2年のA君はあさひさわやか寄席に祖父母を招待した。お目当ては自分が小学校3年の頃からのファンである桂歌丸師匠が来るからだ。前座の柳若という人、次が笑福亭鶴光、
林家三平、最後に桂歌丸師匠だった。歌丸師匠は体重が40kgを切ってしまい八王子まで
来られるかどうか危ぶまれていた。現在36kgで若い頃からほとんどが47kgだったと本人が語った。骨川筋衛門といえば失礼にあたるが82歳の高齢にしてかくしゃくたる語り口には「最敬礼」だと伝統芸能ジャーナリストB氏の言葉通りだ。川柳の中で一番多いのが間男のテーマだそうで演目は残念ながら間男だった。間抜けな3人がいて、若造と旦那さんとおかみさんの話で、女が一番ずうずうしいという話だ。
A君にはよく分からなかったのか話題には上がらなかった。当の祖父母である筆者も話題にしなかった。どうせなら、歌丸師匠の怪談噺を聞きたかった。今年の8月には国立演芸場で三遊亭圓朝作の「鏡ケ池操松影(かがみがいけみさおまつかげ、演目名は「絵島屋怪談」)の講座が盛況だったという。歌丸師匠は「平成の圓朝語り」の称号を受けている。

歌丸師匠は数々の賞を受賞し2005年に芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)や2007年には旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)という、日本の勲章の1つで、6つある旭日章の中の4番目に位置する勲章が与えられた。現在「人間国宝にしましょう」と6代目三遊亭円楽師匠がネットで呼びかけて既に63000人の賛同者が署名している。

A君は若い林家三平が面白かったと言った。笑点大喜利メンバーのピンクや紫や黄色の人たちの楽屋でのエピソードや、立川談志の物まねがよかったと言う。私もそう思った。立川談志が国会議員の頃「どうもすみません」の父三平が応援演説に出かけて「林家三平、林家三平、林家三平」と連呼して93票も獲得してしまったそうだ。幽霊の立川談志を車で送ることになった息子三平(当時はいっ平)は談志が寒い寒いというので車の暖房を入れると今度は「暑い、暑い、お前オレを焼き殺す気か」(既に死んでいるじゃねぇか、と観客は笑う)と言われるので窓を開けたまま暖房を入れて走った、という噺だった。いっ平が小学校の頃父兄参観日に紋付き袴にサングラスをかけて出席した父三平は先生の「皆さん地球に1番近い星はなんという星ですか?」と質問すると父三平は「ハイ」と手を挙げて「物干しです」と答えたそうな。どうもすみません。

 講演会は800人満席で中学生はざっと見てA君1人、小学生が5、6人いた。半分は65歳以上の高齢者ではないだろうか。伝統芸能人口が少なくなると存続が難しくなるのではと危惧する。林家三平はシンガポールで史上初、英語で江戸落語「禁酒番屋」を講演、中国では中国語で中国語落語を披露している。


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