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16122401本多美穂

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2016.12.24 穀粒記者レポート・「クリスマスメッセージ2016―クリスマスのおくりもの」投稿者:本多美穂

高尾ワードスライド劇
原作 静岡ワード
作画 本多美穂

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ナレーター これは、今から2016年前、つまり紀元前1年の頃のお話です。イスラエルの東の方に、レークス王という心の優しい王様がおりました。王様は、夜空を眺めるのが好きで毎晩のようにお城のてっぺんに上っては星を眺めていました。ある晩、王様は見たこともない星が美しく輝いているのを見つけました。そして預言者の記した本の中に、次のように書かれているのを思い出しました。「今までに見たこともない美しい星が現れる。その星は神の御子がお生まれになるしるしである。その御方は人々を互いの憎しみや悪い行いから救うために生まれ王の中の王、神の御子、平和の君と呼ばれるであろう。」

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レークス王  「私も、戦争は嫌いだ。世界中の人々が仲良く暮らすことができたならどんなにすばらしいことだろう。そうだ!新しくお生まれになるその王様にお会いすることにしよう。なにか私にもできることがあるかもしれないぞ」

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ナレーター   レークス王は急いで支度をするように、家来たちに言いました。らくだの用意ができ、まだ眠そうにしているらくだの背中に水や食べ物をつんでのろのろと歩きだしました。この騒ぎに、 アルドル王子は目を覚ましました。

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アルドル王子 「お父様、どこにいくのですか?」
レークス王  「アルドル王子、実はじゃな、神様の御子、本当の王様がお生まれになったんじゃ。私はその御方に金の杯を、お差し上げに行かなければならない。」
アルドル王子 「お父様、その王様はどこにいらっしゃるのですか? 私も連れていってください。」
レークス王  「いや、私の息子よ、それは無理だ。みてごらん。
光っているあの星についてどこまでも歩いていかなければならない。遠いところにいく旅なんだ。お前はベットに入って、もう休みなさい。」

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ナレーター  王様はアルドル王子をおいて、出かけてしまいました。お供の人たちが吹く笛の音と兵隊たちの歌がいつまでも聞こえていました。
―#116 「Joy to the World」―(英会話聖歌隊)
ところが、アルドル王子は何やら別のことを考えているようです。
大急ぎで部屋に戻って着替えをすると、心の中でつぶやきました。

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アルドル王子  「よし、僕も新しい王様に会いに行くぞ。贈り物はなにがいいかな?(間をとる)そうだ!僕の一番大事な宝物を3つ差し上げることにしよう。1つ目は、友達にもらったボール。お父様の金の杯に負けないくらい綺麗なボールをあげることにしよう。
2つ目は、お婆様に頂いた素敵な絵本。これを読むと心が温かくなるんだ。
そしては最後は、仲良しのプルートン。お父様が私の誕生日に下さった世界一利口で可愛い子犬を差し上げることにしよう。

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プルートン、おいで。(間をとる)でも…こんな大事な友達のプルートンを
あげちゃうなんて、僕に本当にできるかな…。」

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ナレーター   アルドル王子は心の中で苦しみました。けれども、これらの大事な贈り物と一緒に思い切って真夜中の道を歩き始めました。あの美しい星の光に導かれながら…
        (長く間をおく)
       
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お日様が昇るころ、アルドル王子は小さな村につきました。木陰で休んでいると悲しそうな泣き声が聞こえてきました。女の子がシクシク泣いています。

アルドル王子  「きみ、どうしたの? なぜ泣いているの?」

女の子     「みんなが私のことを、ぼろを着ているぼろ娘っていじめるの。それで誰も
         私と遊んでくれないの。」

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アルドル王子  「そんなこと気にしちゃだめだよ。そうだ!このボールきみにあげるよ。これで
         遊べばいいじゃないか。これとっても良くはずむんだよ。」

女の子     「本当?本当にもらってもいいの?」

アルドル王子  「ああ、もちろんだとも。だからもう泣かないでね。」

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ナレーター   日が暮れると、またあの星がきらきらと輝き始めました。アルドル王子は歩き始めます。

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次の朝、一人のおじいさんに会いました。おじいさんは小さな家の前に立って遠くを眺めては、ため息をついています。

アルドル王子  「おはよう。おじいさん、何をしているの?」

おじいさん  「何って私は病気なんじゃ。もう身体中痛んでのう。前にはあちこち旅をするのが楽しみじゃったが、今は隣の家に行くことさえできない。 ああ…なんて情けない歳はとったし、もう死んだ方がましじゃわい!」
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アルドル王子 「なんてこと言うの!!!そんなことないよ、おじいさん。ねえ、この絵本を見て元気を出してください。ほら、世界中の動物や花がでているでしょう?これを見ていると心がぽかぽかしてくるよ。素敵でしょ? おじいさんにあげます。」

おじいさん  「おお、なんと素晴らしい絵本だろう。ぼうや…これをこの年寄りの私にくれるというのかい? この本があればこれからはもう寂しくはないよ。ぼうや、どうもありがとう。」

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ナレーター  3日目の夜がきました。旅はまだ終わりません。アルドル王子の足はズキズキ痛みだしました。星は今までよりも、明るく煌めいています。

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次の朝、アルドル王子は一晩泊めてもらった家の寝床で目を覚ましました。その家には、足が悪くて寝たきりの子供がいました。アルドル王子と同じくらいの年の男の子です。男の子はアルドル王子が普通に歩けるのを見るとぎゅっと唇をかみしめました。そして、壁の方を向いたまま話しかけても何も答えてくれません。

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…そのときです!プルートンが何かを言いたそうに何度もアルドル王子にとびついてきます。でも、アルドル王子にはプルートンが言いたいことがわかりません。

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すると、プルートンはいきなり男の子のベッドに飛び乗り、男の子の顔中をペロペロとなめまわしました。

男の子   「うわー!やめてくれー、くすぐったいよう。」

ナレーター  男の子が初めて嬉しそうに笑ったのです。アルドル王子は、はっと気が付きました。
       
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そして男の子の手にそっとプルートンを渡して、急いで家の外にでました。
アルドル王子の目から、涙があとからあとからこぼれ落ちました。

アルドル王子 「さようなら、プルートン。…ぼくの大事な友達。元気でね。」

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ナレーター  アルドル王子は走り出しました。よろけたり、つまずいたりしながら走り続けました。そして、とうとう疲れ切って道端に倒れるとそのまま眠ってしまいました。
       (少し間をおく)
-#120「天を降りし神の御子」―(ユース・SA)

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ふっと気が付くと、どうしたのでしょう。さっきまでの悲しい気持ちも疲れもどこかへ消え失せて、なんだか楽しい嬉しいことを待つような気持ちでいっぱいなのです。
        
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あの星が村の上にとどまって美しく輝いています。その光の中に小さな馬小屋が浮かび上がって見えます。アルドル王子はそちらへ歩いていきました。

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馬小屋の中には、優しいお母さんが可愛い赤ちゃんを抱いています。
赤ちゃんは、世界中の人々のためにこの世にお生まれになった神の御子イエス・キリストでした。
側にはアルドル王子のお父様であるレークス王と、他の二人の王様がいてイエス様に贈り物をささげていました。

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でも、アルドル王子には捧げる贈り物が残されていませんでした。アルドル王子はイエス様の前にひざまずいてお祈りをささげました。

アルドル王子 「イエス様、ごめんなさい。私にはあなた様に差上げる物がございません。
        この旅の途中で、困った人たちにあげてしまったのです。」

ナレーター  そのときイエス様の前にひざまずくアルドル王子の心の中に、静かにささやく声が
       聞こえました。

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天からの声  「アルドル王子よ、あなたは幸いです。あなたは、私が空腹のときに食べさせ
        私が渇いていたときに飲ませ、そして病気のときに見舞ってくれたからです。」

アルドル王子  「主よ、私はいつあなた様に対してそのようにしたでしょうか?」

天からの声   「アルドル王子よ、あなたが女の子やおじいさん、男の子にしたことは、すなわち私にしたのと同じことです。」

ナレーター   星に導かれたアルドル王子は、その夜、馬小屋でお生まれになった
        イエスキリスト様こそが、まことの神様の御子であられることを知ったのです。
―#117「Oh, Come, All Ye Faithful」-(英会話聖歌隊)

END

  • 本多美穂姉妹
    暖かい画風が物語とピッタリで感動しました。可愛いアルドル王子が仲良しのプルードンを少年にプレゼントして、泣きながら走り去っていく絵が一番印象的です。また、赤ちゃんのイエスさまを拝している姿が美しいです。ありがとうございました。 -- 岸野みさを 2016-12-24 (土) 22:51:01

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