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2018.08.31 穀粒記者レポート・『「少年たちの群像(20)」』投稿者:岸野みさを

 朝からピンポーンとインインターホンが鳴るので、出てみると近所の小学校低学年の少年が「朝ご飯食べてないので何かちょうだい」という。「…ご飯はね、お家で食べるものなのよ」と言うと黙って帰って行った。車で通るとき、時々見かける少年で可哀そうだと思ったが、物乞いにしたくはなかった、と彼女は言った。
 その話を聞いた他のお母さんは、「私だったら、ちょっと待ってね、と言っておにぎりを作ってきてあげるわ。そして、お母さんは?と聞いてみる。事情が少し分かるかも知れない。もし何回もそのようなことが続けばお母さんのところへ行ってコレコレと話し、それも難しそうなら、地域の子ども相談にきいてみる。つまり、一人で抱え込まない。『子どもは地域で育てる』というのはそういうことなのよ」と言った。納得だった。

  「家庭の夕べやっている?」と聞くと「やっていない」と小学4年の孫。「……」質問したばあが黙っていると「パパとママは信仰が弱い時と強い時があるんだ」と弁護するように言った。「あんたが『家庭の夕べやろうよ」と声をかけてみてごらん。全員でなくても賛成する人と一緒にやったらどうかしら」と言うと「分かった」と言ったが、うつむいたままだった。

 「キャー、あんたたちだあれ?」長女が自宅の玄関のドアーを開けると2階から2人の
男の子が階段を降りて来るではないか!「僕のお兄ちゃん知らない?探しに来たの」近所の幼稚園児だったが、「人の家に勝手に入って来ちゃダメ!」長女が言うと「ごめんなさい」と言って帰って行ったそうだ。手には甲虫が入っているビニール袋をもっていた。そこの家の弟が外で遊んでいる間に2人はさっさと開いている玄関から入ってきたようだった。

 妹からの電話で「ママは今運転中だから電話に出られないよ」と兄が言っているのにまだ電話の向こうでグズグズ言っているようだった。「警察につかまってもいいのか!」と言い「携帯使いながら運転するとつかまっちゃうんだよ!」それでようやく電話がきれた。

 子どもの頃熱中症にかかったことがあったと息子が言った。友だちと何人かで田んぼへ虫とりに行った時の帰り道、住んでいた山の上の団地の長い階段にさしかかった時、突然気を失ってしまった。慌てて友だちが近くにあった一軒家へ駆け込むと、そこのおばさんが冷えた麦茶と冷えた西瓜をもってきてくれた。麦茶を飲ませてもらい、西瓜を食べさせてもらった。すると意識が戻った。そして車で団地まで送ってもらった、と言った。そんなことがあったとは、今思い出せない。もう一回は新婚旅行でニューカレドニアに行った時、日焼け止めクリームを塗らずに海で泳いだ。夜になって発熱し意識がもうろうとしてきた。頭や体を冷やして新妻に看病して貰った。次の朝はだいぶ楽になったという。今夏のこの熱さいつまで続くのだろうか?

ママが悲しいことがあって泣いていると2歳の息子がティッシュをもってきてくれた。
ママが先ほど使って捨てたティッシュをゴミ箱から拾ってもってきてくれたのだった。

 孫たちと花火をした時のこと。白馬村の家は野っ原の中にあるので遠くに人家の明りが2つ見えるだけで暗闇だった。空には星が輝いている。椅子に座って首を90度にそっくり返って北斗七星を捜していると4年生の孫が「あっ、おばあちゃんの顔がない!」と言った。私にライトを向けた時のことだった。

 庭の木陰で皆んなでモルモン書を読んだ後、今回の旅行で何が楽しかったか話し合った。
中1の孫は「バーベキュー」と言った。「何が美味しかった?」と聞くと「玉ねぎ」「それだけ?」と言うと「じゃがいも」「なあに野菜だけじゃない」とばあ。筆者の妹が作った野菜のとれたては確かに美味しかった。今年は日照りでトマトやきゅうり、なすなどの夏野菜がとれず妹はがっかりしていた。昨年の大豊作が嘘のようだった。
 高1の長男は「バーベキュー」と言ったので「皆食べることばかりなの?」というと「あっ、お爺ちゃんがお祈りしようとしたとき、メグがおならをしておじいちゃんが笑ってしまって代わりに自分がお祈りしたこと」と言った。確かに長男は笑わずに祈りを終えたのだった。日頃から慣れているのだろうか?
 小4の次男はじゃがいもを庭で干して、痛んだじゃがいもを分別するのが大変だった、と言い、また倉庫においてある箱の掃除をしたことだと言った。お正月に箱の中に保管しておいた大根やじゃがいも、かぼちゃが箱の中で腐ってしまい、細かい蠅のようなものが発生していた。次男はシャベルで畑に穴を掘ってそれを埋めて水で箱を洗った。爺が側で教えた通りにやった。朝一番早く起きる次男の朝飯前の仕事だった。
 長女は「全部楽しかった。白馬大池に登ったこと、善光寺へ行ったこと、松本城へ行ったこと。温泉に入ったこと、じゃがいもだんごを作った事」すかさずばあが「その中でも何が一番だったの?」と聞くと「全部!」と言う。(ハァ、すみません、愚問でしたね)

 横腹が痛いと言って医者に診てもらった次女。女医先生だが触診されると彼女はケラケラ笑いだす始末。「これはただの筋肉痛ですよ」と言われた。虫垂炎を疑ったママは「確かにそれだとケラケラ笑えないわよね」と報告。


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