22081901 沼野治郎
2022.08.19 自分史・家族史「フェイスブックで「聖書を原語で学ぶ会」を主宰してきて」 投稿者:沼野治郎
2018年11月からこの会を管理運営してきて4年目になります。末日聖徒が日曜学校で標準聖典を学んでいくのに合わせて、主なテーマや逸話、大事な聖句を原語(ヘブライ語、ギリシャ語、時に英語)を参照しながら学んでいこうとする会(公開)です。最近では日曜直前に計80~110人の方が閲覧下さって有難く思っています(登録は287人)。
優れた日本語の聖書が出版されていますから、必ずしも原語にたどる必要はありませんが、古代の文書が翻訳され、異なる言語間で翻訳が行なわれる時、意味が伝わりにくかったり、よく分からなかったりすることが生じます。原意を確めたり、ニュアンスが分かると聖典がそれだけ身近に感じられるようになります。以下、三つの例をあげてみます。
十戒の禁止の命令は、原文では「断言的期待」の表現であって、神の民とされた者として「・・することはあり得ない」と言う断定であることを知ると新しい視点が得られます。(関根正雄「出エジプト記」、A.E.Cowley, “Gesenius’ Hebrew Grammar”)。
メシアというと私たちは「救い主」を思い浮かべますが、「油を注ぐ」(マーシャー)からきていて、旧約では神の人以外に王位に就く者にも適用されることを知って読む必要があります。メシア待望(ダビデの再来)の多くはこちらの意味で出てきます。
もう一つ例をあげれば、「嘉(よみ)する」(上の者が下の者を「よしとする」。文語)という語が口語訳に出てきますが(詩篇147:11など)、ヘブライ語では「・・を喜ぶ、受け容れる」と分かりやすい言葉で表現されています。
そして会の趣旨の背後に、日本の会員が自ら考えて研究し始めること、聖書関連の資料に当たること(資料は邦文、英文ともに豊富)に着手してほしいという気持ちがあります。またもうひとつ、日本の教会員の中に聖書の原語を学ぶ人が何人か出てほしいという希望を持っています。
聖書のオリジナル(本文)に取り組む具体的な方法について言えば、誰にでもできる次のような点で接近することが提案されます。
〇 語彙(よく知られたもの、重要語句)に馴染む
〇 語順、語尾変化など基本的な文法を知り始める
〇 短文暗記(or 数回朗読)を試みる
このためには参考書や辞書、それに原語の聖書そのものが必要ですが、自分に合ったものを少しづつ揃えていくのがよいかと思います。また今ではネット上で無料で参照できるサイトがあります。(例、biblehub.com)。
生涯学習のやり甲斐のある目標として、気長に取り組むことをお勧めしたいと思います。
- ご投稿ありがとうございました。原語ではないのですが詩編126:5-6を直訳したものを
読んだことがあります。「種を携える者は行きに行く。しかして泣く。束を携える者は歓声をもって帰りに帰る」と行く(ハーラク)帰る(ポー)が繰り返し用いられていました。これは顕著な平衡法という表現形式だそうですね。丁度今詩編を学んでいますので、沼野兄弟のお勧めの原語の句を解説して頂ければ嬉しいです。 -- 岸野みさを 2022-08-20 (土) 11:09:22
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